堤大介さん – 短編アニメーションの初監督作品がオスカー候補にノミネートという快挙を成し遂げた素晴らしいアーティストです。前職はピクサーにて美術監督。代表作に「トイ・ストーリー3」「モンスターズユニバーシティ」など

僕は数年前に「SKETCH TRAVEL」という企画に惚れ込み、「トイ・ストーリー3」のアートワークの色彩に惚れ込み、近くの図書館で借りた「あ、きこえたよ」という絵本に惚れ込み、いくつかあるウェブ上の記事にも惚れ込んで、大のファンになりました!

なにより、絵を描き始めたのが遅めだったにも関わらず、努力と勝負を重ねてピクサーへ至ったというエピソードに勇気をもらいました。(「好きだから一生懸命やる」を貫きアートディレクターに | アメリカン・ドリーマーズ
そんな堤さん(勝手に親近感湧いてさん付けで呼んじゃってます)を宮崎のテレビで観れるんや!と思い、興奮しております!※ 宮崎のテレビ事情は遅れており、妖怪ウォッチなどは約8ヶ月遅れで絶賛放映中です。

でわでわ、ここらで情熱大陸の本編を観ながらつらつら書いていこうと思います。

今回アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた「THE DAM KEEPER」という作品は、光と陰によって心の移り変わりを表現したアニメーションだそうです。共同監督はロバート・コンドウさん。この方もピクサー出身です。

アカデミー受賞式への参加は、すべて実費で宿泊、ドレス、移動など等とてもお金がかかるそうです。

堤さんとロバートさんが設立したアニメーション制作会社(TONKO HOUSE)は、アメリカのカリフォルニア州バークレーにあるそうです。

バークレーといえばCIAの養成学校があって、冷戦時代はスパイの温床みたいな物騒なイメージだったのですが、そんなとこにアニメーション制作会社をつくっちゃったんですね。よくよく聞いてみるとピクサーも近いらしく地図上で見ると隣町のようです。

 

スタジオの中は、黒板、木造の背の高い机、壁に貼られたアートワーク、武骨な本棚とマック、シンプルで居心地が良さそうな佇まいもそうなんですが、窓から差し込む光がそれだけで印象的なんですよね。出勤したばかりの時間帯だとすると午前中なので、日本ではあまり見たことのない種類の光だと思います。

堤さんが絵を描いている画面も映し出されるのですが、使っているフォトショップのブラシの感じが、それだけで味があるんですよね。どんなブラシ使ってるんでしょう?自作したのかな?鉛筆と木炭とペンを足したような描き味です。

『絵描きとしてこの世界に入ってきたので、絵でお話探ってく』

堤さんの言葉が印象的です。言葉でお話を紡ぐようなやり方じゃないんですね。机に紙が巻かれ、その上に絵を描いて伝えるようです。

オシャレなカフェに指す光もなんだか違う。夕暮れ前のように強いんだけど、もっと凛としている気がする。そこで何気なくスケッチを始める堤さん。

堤さんは絵を描いているときに、よく「何を描いているのか、さっぱりわからない。」と言われるそうです。それは、「ディテールよりも先に光を捉える。」という堤さんのやり方だそうです。

THE DAM KEEPERでは、「光を動かす」というのがテーマのひとつで、まだ務めていたピクサーの本業の合間を縫って、およそ9ヶ月で完成させたという。

その際は、プロ・アマ問わず70人が協力してくれたという。(この時の人選の仕方にもひと工夫あったってのを、何かの記事で読んだことがあります。)
撮影中、マーク・アンドリュース(※1)に出会った時、堤さんとロバートさんがちょっと困ってた様子に何か違和感がありました。お互い笑顔だったけど、きっと何か知られざる関係性があるんだろうなぁと思ってたら「ピクサー時代に泣かされた。」というナレーションがw

※1 : ピクサーの映画監督。代表作「メリダとおそろしの森」など。個人的にこの人大好き。「Mr.インクレディブル」のメイキングで、並べられた絵コンテの前で自作自演の「Mr.インクレディブル」をやってのける人です。)


家庭での様子もほのぼのしてて、突然のカメラ登場にびっくりするお子さんが可愛かったです。アメリカでの生活ってこんな感じなんやぁ。と。(ちなみに奥さんは、宮崎駿さんの姪っ子らしいです。ほぼ日で読みました。)

ノミネートとはいえ、受賞候補者はアカデミー賞授賞式3日前にはロサンゼルス入りして、記者からインタビュー受けたり、PRしたり、様々なセレモニーに参加しなきゃいけないんだって。きっと政治的なやりとりもあるんでしょう。監督業って大変そうだなぁ。

「愛犬とごちそう」でアカデミーを獲得したパトリック・オズボーンさんとも和気あいあいとしてて、なんだかすごい世界だなぁと痛感。お互いにリスペクトがあるのか、相手がライバルだとしても、とりあえずは褒めとけ。みたいな文化なのか。。。

アカデミー賞授賞式1日前、過去の受賞者たちの言葉を探していました。
やっぱり、過去の事例に学ぶのは、できる人たちも同じなんだなぁ。
ああいう人前に出る人ってのは、すべてゼロから言葉を紡いだりするものだと思ってた。
まぁ、、、スピーチだし、やり方は人それぞれなんでしょうが。

アカデミー賞での受賞スピーチは45秒以内なんだって。知らなかったー

「受賞したら、みんなの言葉を代弁しなければならない。その責任があるから簡単にいかない。」っていう言葉に、堤さんのリーダーとしての資質みたいなものを感じるわけです。この人の下で働くのはきっとシビアだろうけど、きっと温かいだろうなぁ。と

アカデミー賞授賞式の会場に入ってしまったら、約5時間飲まず食わずになってしまうかもしれないんだって!
タキシード着たままおやつ用意してる姿がなんだかアットホームです。

アカデミー賞って賞金ないんだって!名誉があるんだって!w
どないやねん!って思ってしまうのは卑しいんでしょうかw

アカデミー賞授賞式会場近くのバーで、仲間たちが駆けつけているってところに、アメリカのダイナミックなイメージと温かさを感じます。
受賞を逃した様子もリアリティがあって、ドキュメンタリーって素晴らしいな!って思う。

式典後に仲間たちの下へ駆けつける様子が泣けてくる。ここからは、堤さんが仲間たちに述べたスピーチです。

『最高の結果だったと思う。

僕たちみんなにとって はじめてのこと 監督も初めてだった

リスクのあるプロジェクトだったと思う

もっと成長してもっと遠くへ行く時だ

これは終わりじゃなくて始まりなんだ

とてもエキサイトしてる

できるなら一緒に旅を続けてほしい

次こそはオスカー像を手に入れるからさ』

ほんまに泣けてくるで。

後日、日本のアニメーション制作会社とダムキーパーの続編を制作することになんですって!期待大きいわね!うまくいくのかしら!日本のクリエイターにちゃんと務まるのかしら!

堤大介さんって、結局企画力のある人なんだと思いました。

SKETCHTRAVELにしても、THE DAM KEEPER にしても、未踏の領域に大して、しっかり答えを出す力をもってる人なんだと思いました。純粋に、凄い人だなぁ。

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